消化器外科
腹腔鏡を用いた低侵襲手術を実施。
複数疾患を併せ持つ重症度の高いがん疾患にも対応。
急性期医療施設として緊急手術や悪性疾患に対する外科治療を行っています。腹腔鏡下手術は、胃癌や大腸癌といった悪性腫瘍のほか、虫垂炎や胆嚢炎、鼠径ヘルニアに対する手術も行っています。高齢の患者さんが多く、単に外科手術を行うのではなく、術後のリハビリやケアについても個々のケースに合わせたきめ細かい診療を行うよう心がけています。
取り扱う主な疾患
消化器のほぼ全領域を対象として、腹腔鏡下手術を積極的に行うとともに、下部消化管では進行直腸癌に対する腹腔鏡下側方リンパ節郭清術も実施。
下部消化管疾患に対する腹腔鏡下手術や、肛門疾患では手術のみではなく、内痔核に対する4段階効果療法であるALTA療法も行っています。
食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肛門管癌、消化管間葉系腫瘍(GIST)、胃食道静脈瘤、潰瘍性大腸炎、クローン病、原発性肝細胞癌、肝内胆管細胞癌、転移性肝癌、肝門部胆管癌、中部胆管癌、膵内胆管癌、胆嚢癌、十二指腸乳頭部癌、膵臓癌、嚢胞性膵腫瘍、慢性膵炎、肝内結石症、総胆管結石症、胆嚢結石症、鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、痔核、痔瘻、肛門周囲膿瘍、腹部救急疾患:虫垂炎・胆嚢炎・腸閉塞・憩室炎・膵炎・その他の原因による腹膜炎
担当医
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呼吸器外科
低侵襲な胸腔鏡手術を積極的に実践。肺がんの早期発見・早期治療にも取り組んでいます。
呼吸器疾患の外科治療や甲状腺疾患の診療を行っています。外来は週5日(午前は月曜から金曜、午後は月曜と金曜)、呼吸器疾患の精査や手術後の経過観察・補助化学療法といった診療を行っています。当院・他院を問わず、胸部レントゲン検査異常の精査も行っています。甲状腺疾患の精査や外科的切除・術後観察も可能です。
呼吸器領域の手術は鏡視下手術(胸腔鏡:VATS)が大半を占めています。従来高齢や肺気腫・循環器疾患等で手術適応外となっていた患者さんも、循環器内科やリハビリ科等のバックアップを受けながら手術を行うことが可能になっています。胸腔鏡手術は低侵襲な手術手技であり、基礎疾患がない場合は手術当日に離床訓練と飲水を開始します。ご本人の希望次第では、手術後約3日で自宅退院が可能です。
呼吸器領域の腫瘍性疾患(主に肺癌)は非常に予後不良な疾患で、早期発見・早期治療が重要です。検診の胸部レントゲン写真では見つからないような非常に淡い影(すりガラス陰影)や極めて小さい肺癌を早期に発見するために、積極的な胸部CTでの精密検査が必要です。肺癌を早期に発見することで、一人でも多くの方が肺癌から根治できるように取り組んでいます。
取り扱う主な疾患
呼吸器外科
肺癌・肺腫瘍:胸腔鏡下肺悪性腫瘍切除術(肺葉切除、区域切除、部分切除)
開胸肺切除術(肺葉切除、区域切除、部分切除)
心膜や横隔膜、胸壁・肋骨合併切除を含む肺切除術
人工血管再建、気管再建を含む肺切除術
気胸:胸腔鏡下肺部分切除術
縦隔腫瘍:胸腔鏡下縦隔腫瘍切除術
胸壁腫瘍:胸壁腫瘍切除・胸壁再建術
胸腺腫(重症筋無力症合併):拡大胸腺摘除術
感染性肺疾患(膿胸など):胸腔鏡下ドレナージ
その他:心嚢ドレナージ、心膜開窓術、胸膜癒着術、胸腔・腹腔シャント
甲状腺外科
甲状腺腫瘍:甲状腺全摘・葉切除・部分切除
副甲状腺機能亢進症:副甲状腺摘除
担当医
外科・呼吸器外科
肺・縦隔の疾患
(肺がん、気胸、縦隔腫瘍等)
有村 隆明
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血管外科
患者さんの状態に合わせた、最適な血管治療やフットケアを実施。
主に血管外科疾患の外科治療や診療を行いつつ、フットケアに関わる疾患についても処置や診療を行っています。閉塞性動脈硬化症等の虚血に関しては、循環器内科とも連携して診療に当たっています。下肢静脈瘤は、局所麻酔での手術により、高齢者に対しても安全に手術治療を行うことができます。フットケアにまつわる褥瘡やうっ滞性潰瘍・糖尿病性壊疽等は入院加療にも対応しています。なかでも難治性潰瘍や褥瘡には、局所陰圧閉鎖療法も行うことで早期治癒を目指しています。
閉塞性動脈硬化症や静脈瘤等は外科治療後の再発も多いため、継続して診療に当たることで、早期発見・早期治療に取り組んでいます。
取り扱う主な疾患
動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、急性動脈閉塞、血管炎、静脈瘤、血栓症、静脈炎、浮腫、リンパ浮腫、リンパ管炎
フットケア | 褥瘡、うっ滞性潰瘍、難治性潰瘍、糖尿病性壊疽 |
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担当医
血管外科・外科・フットケア
出口 聡美
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乳腺外科
乳がんの早期発見に向けて、マンモグラフィ読影認定医が検診いたします。
乳腺疾患の検診・外来診療・外科治療・薬物治療を行っています。基本的に外来は月曜から木曜で予約診療です。診察・MMG・US・MRI・組織診断により、乳がんの早期発見・早期治療を目指しています。乳房全摘術、乳房部分切除術、乳腺腫瘍摘出術など、 腫瘍の位置・大きさにより患者様と相談して手術方法を決定します。手術では可能な限り整容性を大切にする手術を提案します。丁寧な診察と説明をし、複雑化する治療の選択肢を共有しながら、一人ひとりの患者さんにあった治療方針 shared decision makingを提供・実践します。
取り扱う主な疾患
乳がん、乳腺炎、乳腺症、乳腺良性疾患(乳管内乳頭腫、線維腺腫、葉状腫瘍、過誤腫)等
担当医(非常勤)
乳腺外科
乳房画像診断
山﨑 宏和
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脳神経外科
常勤医5名が脳神経外科専門医、内4名が血管内治療専門医、
シフト制で負担を減らしつつ手厚い診療体制を構築
2021年8月から現在のチームで診療を開始しており、まだ歴史の浅い脳外科チームです。現在、甲賀病院脳神経外科の常勤医は5名で、全員が脳神経外科専門医です。時間外についてはオンコール対応としていますが、オンコール当番を昼出勤とすることで、時間外診療の負担を軽減しています。
直達開頭手術と血管内治療に対応していますが、血管内の専門医が4名いることもあって、血管内治療に軸足を置いた診療を行っています。当然開頭手術が必要とされる場面では躊躇なく開頭手術を行いますが、『救急でも低侵襲治療で出来ることは低侵襲治療で』と考えています。人員が潤沢でない地方の救急病院では医師も含めメディカルスタッフの負担軽減は重要な課題です。その意味でも血管内治療の果たす役割は小さくないと考えています。人的資源を有効活用し、手厚くすべきところと省くべきところ、メリハリを付けた脳外科診療を心がけています。
取り扱う主な疾患
脳血管障害(脳動脈瘤・脳出血・脳梗塞)、脳腫瘍(髄膜腫・その他の頭蓋底腫瘍・下垂体腫瘍・神経膠腫)、頭部外傷、顔面痙攣、三叉神経痛等、予防医学として脳ドック
担当医
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整形外科・リウマチ科
膝関節や股関節等の慢性疾患に対する安全な手術を実施。早期離床や早期リハビリテーションにも注力。
2018年から慢性疾患(膝関節・股関節・腰椎)の手術を開始、外傷では高齢者に多い椎体骨折に対してBKPやPPS等による固定を行っています。早期離床や早期リハビリに移行できるようにするとともに、関節リウマチに対して生物製剤等を駆使して早期治療・早期寛解を目指しています。2019年10月より膝の再生医療を開始しました。
取り扱う主な疾患
変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性脊椎症、骨粗鬆症、関節リウマチ、痛風、骨軟部腫瘍、挫創、捻挫、骨折、関節脱臼等を診断し、投薬・注射・手術・リハビリテーション等で治療
担当医
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泌尿器科
患者さんに寄り添った安全第一の低侵襲治療を目指しています。
近年、手術はより低侵襲かつ正確な技術が求められるようになっております。前立腺がんに対する前立腺摘除術も従来の開腹手術から腹腔鏡下手術、そしてロボット支援下手術へと進歩してきました。ロボット支援下手術の最大のメリットは、従来の開腹術と比較し、手術中の出血、術後疼痛や尿失禁の軽減、勃起能温存に優れ、入院期間の短縮、早期社会復帰が図れることです。2024年4月より新たに泌尿器科医師3 名が加わり、常勤医師1 人体制から4 人体制に変わりました。当院でもロボット支援下手術を含めた外科的治療を積極的に実施できる体制に強化しております。専門病院だからこそ積み重ねることができる経験と実績を基に、個々のスキル向上とチームとしての総合力を培っています。
また、ロボット支援下手術以外にも力を入れているのが、結石治療です。閉塞性尿路感染症に対する緊急ドレナージ術をはじめ、治療難易度の高いサンゴ状腎結石や寝たきり患者の多発性・感染性尿路結石まで、適応を拡大して、積極的にストーンフリーを目指しています。
さらに、多職種スタッフとともに排尿ケアチームを立ち上げ、入院患者さんの『包括的排尿ケア』を行っており、自己導尿指導や排尿自立支援に取り組んでいます。今後は、抗凝固剤の休薬困難を理由に、前立腺肥大症治療を避けられてきた患者さんに対して、休薬を必要としないCVP(接触式レーザー前立腺蒸散術)の導入も検討しています。
取り扱う主な疾患
・前立腺がん、尿路上皮がん(腎盂がん・尿管がん・膀胱がん)、副腎腫瘍、腎がん
・尿路結石症
・排尿障害(前立腺肥大症、神経因性膀胱、過活動膀胱、夜間頻尿、尿失禁、夜尿症など)
・尿路感染症
・健康診断での異常所見(PSA 高値、尿潜血陽性など)
担当医
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